Ayano Hagiwara website

2014

わたしと南の島にいきませんか Shall we go to a tropical island together?

【会期】 2014.06.01 sun-07.31thu
【会場】 フェルケール博物館1階ギャラリー

 

南の島1

南の島2

南の島3

 

南の島、北の島、西の島、東の島・・・
子どものころに、どこかで見たのかもしれない、テレビアニメや映画などにも描かれている「南の島」は、無人島であったり、バカンスのビーチであったりすることが多いという印象がある。見渡す限り、世界に自分や自分を取り巻くごくわずかな人たちが取り残されてしまう場所として描かれる無人島は、何らかの困難が訪れるにせよ、それでも絶望的にではなく、本々あった現実へ戻るための入り口にすぎなかったりする。また、暖かく、明るく、そして甘くて気怠い雰囲気としてバカンスのビーチが描かれる場合も、ほとんどがそれに似ていて、束の間の非日常を演出するためのものだ。けれど架空(フィクション)である「南の島」が、いかに描かれようとも、私たちが赴く先の「南の島」には、南の島の現実が、ただ淡々としているはず。萩原綾乃さんとの会話で、そんなことを聞いた。そこにあるのは、理想化された場所でも、卑下されるべき現実でもなく、そのどちらとも言いがたい日々が息づいているのだと、そういう意味だったと思う。「わたしと南の島にいきませんか」には、そのような思いが込められていて、私には心強かった。
ネガティヴでもポジティヴでもない、もっとたくさんの島を見つけることができるはず。あなたや私にとっての島に思いを馳せることで、遠くを想像するきっかけになる。同時に近くについても想像してほしいと、作家はきっとそう願っている。島は全方位にあり、南・北・西・東・・あらゆる場所に存在する。その存在について考えること。そして何を思うのかということを。私は私の「南の島」を卓上に見つけて、それをうす目でぼんやりと眺めながら、そんなことを思っている。

(執筆 沼下桂子)